産婦人科専門医が考える妊娠しやすい環境作り

妊活=妊娠しやすい環境を作って妊娠するということです。 このブログではいろいろな妊活の方法、男性不妊の情報を紹介していきます。

Category: 妊活

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よい精子をつくるための基本をまとめました男性不妊にお役立てください。特に気をつけてほしいのは発熱です。また禁欲期間も勘違いしやすい点。ためてお<よりも、3日おきに出しておいたほうがいいと知っておいてください。

妊活体験談

不妊治療先の担当医から「何か精子に良い事しました?」と言われました(笑) 結婚5年目。男性不妊と私の排卵障害で不妊治療中でした。 精子検査の結果、不妊治療の担当医から「ご主人の精子では自然妊娠は諦めてください」と告げられ、主人も私もかなり落ち込みました ...
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あたためない
長風呂やサウナは控えたほうがいい、ノートパソコンをひざの上に置いて作業するのは避けようといわれるのは、精子は熱に弱いためです。股間をあたためないのが大原則です。

自転車に乗らない
細いサドルの自転車に長時間乗っていると、股間の血行が悪化し、精子の数の減少や運動率の低下につながるおそれがあります。サイクリングEDと呼ばれる勃起不全の原因にもなります。

禁煙
喫煙すると精子の運動率が低下したり、異常な形態の精子ができることがわかっています。また血管が収縮して血流が悪くなるため、勃起不全EDを招くことも。受精しても流産や先天性疾患のリスクが高まります。

お酒はほどほどに
体力を消耗する飲み方を週に何度もするなら節制が必要。実際に節制すると精液の所見が改善します。1日の目安量はビールなら500ml缶1本(アルコール度数5%)、日本酒なら1合程度です。

禁欲期間は3日前後
精子をためると質が低下。精子の循環はだいたい3日ですので、禁欲期間は最低でも3日前後です。それを過ぎた精子は動かずにただよっているため、動いている精子をじゃまします。3日に1回は出しましょう。

ストレスは適度に解消
精神的、肉体的ストレスが長期間続くと、精子の状態に影響が出ます。ストレスを完全に避けるのはむずかしいので、長期に及ぶ場合は、なるべく規則正しい生活を心がけて、ストレスとうまくつきあうことが重要です。

感染症に注意
インフルエンザやノロウイルス、扁桃腺炎などの感染症にかかり高熱が2~3日出ると、その後1ヵ月ほどすると精液の検査結果が悪くなります。その後、回復してきますが、妊活中の感染症には、くれぐれも気をつけてください。

飲み薬タイプの育毛剤は要注意

育毛剤の内服薬は、精液の量や精子の数の減少だけでなく、細胞レベルで男性ホルモンの働きを抑える作用があるので注意。なんともない人もいますが、飲まずにすむなら飲まないほうが無難。つけ薬は問題ありません。



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妊娠は、射精+排卵=受精→着床によって成立します。この4つの過程のうち、どこかにトラブルがあると、妊娠のハードルが高くなってしまいます。

女性に起因する主な不妊の原因は、子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮のトラブルや、卵巣のう腫など卵巣のトラブル。

これらのトラブルがあると、生理が重かったり生理不順があったりするので、自分でも比較的早く気づけるはずです。

もちろん、たとえ生理が正常でも安心はできません。排卵が正常にされていないケースや、卵管が詰まっていたり狭かったりして精子や受精卵の移動を妨げているケースもあります。

これらはあまり自覚症状がなく、そのままにしてしまいがちなので逆に注意が必要です。
 
一方、男性不妊の原因には、性交自体が難しい勃起障害や射精障害、射精はするものの精液中に精子が存在しない無精子症、精子の数が少ない、あるいは活発に運動しない乏精子症などがあります。

トラブルの内容や状態によって、治療の方法も変わってきます。的をえた治療をするためにも、不妊の原因をチェックすることが妊活の第一歩と言えます。

不妊の原因はさまざま。世界保健機関によると、加齢を除く不妊の原因は、5組中2組は女性に、4組に1組は男性にあるとされています。

また、4組に1組は男女両方に原因があり、10組に1組は原因不明となっています。

不妊自体は「妊娠に至らない症状」のことで、病気ではありません。とはいえ、不妊の陰に思わぬ病気が潜んでいる可能性も。赤ちゃんを望んでいるのになかなか妊娠しないというカップルは、専門医への相談をおすすめします。

妊活体験談

40歳で妊娠できました。!! 本当にありがとうございました。 34歳と結婚が遅く、冷え性や甲状腺機能低下症などあり、いつも疲れやすく家では、眠ってばかりでした。 不妊の検査では、高プラクチン血症、多のう胞性卵巣症候群、子宮筋腫、黄体機能不全と、いろいろ見つかり、果たしてこれで妊娠できるのだろうかと、不安ばかり大きくなりました ...
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検査の前に夫婦で見直そう妊活セルフチェック

妊活は、将来、パパとなりママとなる2人の大切な赤ちゃんを授かるためのもの。受診をする前に、自分たちの体質や暮らしを見直して妊娠力をチェックしてみましょう。何をするべきかが見えてきます。

1.病気

□生理日以外にもお腹や腰が痛いことがある
□生理のときは毎回痛み止めが必要
□性交痛または排便のときにお腹の奥が痛む
□身体が冷えると生理痛がひどくなる
□経血の量が多い
□下腹周辺がとくに冷えている
□子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系の疾患の経験がある
□セックスをしたい気持ちが起こらない


2.生活習慣

□タバコを頻繁に吸う
□飲酒の機会が多い
□仕事や家庭内でストレスが多い
□睡眠時間が短い
□食品添加物入りの食品やインスタント食品を摂ることが多い
□パソコンの前に座っている時間が長い
□起床、食事、睡眠の時間が不規則
□屋外にいる時間が長く。紫外線に当たることが多い
□朝食を抜くことが多い

3.卵巣老化度

□生理周期が短い
□経血の量が減ってきた
□冷え性だ
□生理前にニキビが出やすい
□髪につややボリュームがなくなってきた
□肥満気味
□激しいダイエットをしたことがある
□ちょっとしたことでストレスを感じることが多い
□眠れない、眠りが浅い、早朝に目覚めてしまう
□頭痛がひどい
□疲れがとれない
□検査で異常がないのに体調がすぐれない

4.男性不妊

□疲れやすい
□イライラして、切れやすい
□タバコを頻繁に吸う
□トランクスではなくブリーフ派
□ノートパソコンをよく卓膝上で使う
□熱めのお風呂が好き
□太っている
□油っこいものが好き
□不安になりやすい
□不規則な生活が続いている

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不妊治療では、さまざまな検査が行なわれます。ほとんどの場合、検査を受ける前に病院から説明がありますが、あらかじめ知っておくと、不安も少なく受けられる思います。不妊治療の検査について紹介します。

不妊原因を探るため検査はとても大切です。不妊治療では、なぜ不妊になっているのかを探らなければ、治療はできません。そのために、病院では子宮の状態をみる超音波検査のほか、血液検査や精液検査などさまざまな検査をうける必要があります。

子宮鏡検査
子宮内の超音波検査で子宮筋腫やポリープなどがあると疑われるときなどに行なわれる検査です。超音波検査とは違い、子宮口からファイバースコープなどを入れて子宮内のようすを直接モニターで確認するため、その状態がよく分かります。検査のみの場合は、麻酔の必要もありません。

腹腔鏡(ラパロ)検査
お腹に小さな穴を開けて、内視鏡を入れ、子宮や卵管、卵巣の状態をみる検査です。
一通り検査を受けても原因が見つからないときや、長期間治療しているのに妊娠しない場合に行なわれます。
超音波検査では見つけられなかった癒着や内膜症などを見つけることができ、異常があればそのまま治療を受けることもできます。麻酔が必要ですので、入院しなければならない場合もあります。

ホルモン検査
排卵や妊娠のためにはホルモンが正常に分泌されている必要があり、それを調べる検査です。血液検査で調べることができ、LH(黄体化ホルモン),FSH(卵胞刺激ホルモン)などから、卵巣がちゃんと機能しているか、ホルモン分泌の指示をだす脳の視床下部や下垂体がちゃんと機能しているか、などを知ることができます。

抗精子抗休検査
抗体とは、体に外敵が侵入したときにそれを阻止するはたらきのある物質のこと。ふつうは精子に対して女性は抗体をつくりませんが、まれに精子と結合する抗体がつくられ、子宮や卵管での精子の動きをとめたり、受精できない場合があります。血液検査で採取した血液に精子を加えてその動きを調べる検査で、不妊女性の数%に抗精子抗体が見つかります。

クラミジア検査
クラミジアは、非常に多く見られる性感染症のーつです。女性にはほとんど症状がでないため、知らないうちにクラミジアに感染していたということも少なくありません。クラミジアに感染していると、卵管の癒着や閉塞を招くため、不妊の原因になります。血液検査で調べることができ、感染していた場合は、夫婦2人とも抗生物質の服用で治療します。


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妊活を始める前にしっておいたほうがいいこと

1.基礎体温を測る習慣をつけ、自分の体温が高いか低いかを知る平均値やバラつきの有無を知ることで排卵の状態を確認する。

2.経血の量や色で生理の状態をチェック
子宮の健康状態を知る目安のひとつです。生理痛の有無も大事なサインです。

3.冷え、むくみ、不眠といった身体の不調を自覚する
日常の些細な不調が不妊に直結することもあります。


4.かかりつけの産婦人科をつくり、妊娠できる状態かどうかを調べる
1,2をもとに基礎検査を受け、自分が産める身体かどうか調べてもらいましょう。授からない原因は男女半々と言われているので、パートナーと一緒に検査を受けるのが理想的です。

5.生活習慣を見直し、身体の弱い部分を改善する方法を探る
栄養不足や過剰なダイエット、喫煙、睡眠不足などの悪習を改めることも大事です。自力で改善しにくい冷えや貧血などの不調対策には、漢方やサプリを試してみるという方法もあります。

6.ブライダルチェックなど妊娠する前に受けておいた方がいい検査
妊活、妊娠前に受けておいたほうがいいと思われる検査は、尿検査、血圧測定、貧血検査、クラミジア検査、風疹抗体検査、水痘・帯状疱疹ウイルス抗体検査、サイトメガロウイルス抗体検査、子宮がん検診、超音波検査などです。

これらを基本に、猫を飼っている人はトキソプラズマ抗体検査を、夫がB型肝炎保因者の場合はB型肝炎の検査を、性病が心配な人はHIV検査を、というようにオプションを追加するのが賢い検査の受け方。検査費用は医療機関ごとに異なるので、ホームページや電話で予め確認を。

※風疹について
2012年の風疹患者数は世界第4位、風疹は妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出る場合があります。
「先天性風疹症候群」と診断された赤ちゃんの数も、日本は世界第7位というショッキングな結果があります。

流行は今年も続いていることから、風疹抗体検査の重要性はよりいっそう高まっています。

妊娠中は予防接種が受けられないので、抗体がないとの検査結果が出たら、妊娠前に必ず予防接種を!

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妊活とは妊娠しやすい体作りや妊娠しやすい環境をつくる準備をすることです。

妊娠する自分自身が健康でなければ妊娠自体はもちろん、妊娠から出産までの過程に困難が生じる可能性が高くなってしまいます。

そこをスムーズかつ安心に妊娠できるようになるための手段の基本が、体質や生活習慣の改善です。

パートナーとの関係づくりや、妊娠したあとの人生設計をイメージしておくなどの環境整備も大切な要素です。

一番大切にしてほしいことは、自分自身を大事にすることです。

健康かつ心穏やかに過ごすことが、妊娠できる身体になるための妊活の第一歩です。

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